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エコー電子工業株式会社
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会社情報
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インタビュアー
エコー電子工業インタビュー本文
森戸:
今年に入って「グリーンIT」という言葉を目にすることが多くなりました。実際にシステム商談などでもお客さまの方から「グリーンIT」への対応状況を自社の付加価値にしたい言われる場合もあるようです。
小林:
そうですね。企業の社会的責任(CSR)という観点からも環境問題への対応は、今後IT業界にも影響を与えるでしょう。
森戸:
このような流れの中で、システム会社の在り方も変化しています。以前は、お客さまがビジネスパートナーであるシステム会社を選定する時に、技術力やアフターフォロー体制、提示された価格などで選択することが多かったようですが、最近では、それ以外の付加価値を求められます。例えば中小企業はシステム会社へブランド価値を求めたり、「グリーンIT」の導入など環境に配慮している企業は、システム会社の環境問題への対応状況を評価したりしているようにも感じます。
小林:
企業の社会的な責任から考えても、環境への配慮は対応すべき課題と当社も考えていますし、個人としても非常に関心があるところです。
森戸:
昨今の地球温暖化問題への関心の高まりは今年の7月の洞爺湖サミットの影響もあると思います。個人的には環境問題への対応についても、経営者の方々の考え方をお尋ねしたいと思っていましたので、御社にはこの「ふくおか経革広場」で是非システム会社としての環境問題への対応状況についてお伺いしたいと思っています。よろしくお願いします。
小林:
タイムリーな話題ですが、昨年の10月ごろにまさに弊社の「環境問題への対応」がシステム商談受注の決め手になったことがありました。競合他社が何社かある中で、弊社の環境報告書がお客さまの目にとまり、「社長に直接会いたい」とご連絡をいただきました。
弊社の環境への取り組みをお話したところ、大変共感していただき成約にいたりました。これまではシステム商談は保有している製品の品揃えや提示する価格などがお客さまの評価対象になっていたのですが、企業としての姿勢が商談獲得の決め手になったんです。これには驚きました。
森戸:
そうですね。私は御社の営業担当の方が、システム商談の対応の中でお客さまに環境報告書を提示するということが徹底されていることに驚きを感じます。具体的にはどのような取り組みをされているのですか?
小林:
当社は「人とみどりとソリューション」を企業経営コンセプトとして掲げています。もともとは私自身が山を好きだったということもあり、社会貢献活動として20年前から「水源の森基金」への協力や福岡県庁や福岡県内の企業が主体で実施している植林活動へ経済的支援やボランティアとして参加してきました。ただ、その植林活動は死んでいる森を生き返らせるというよりは、それなりに整備された土地に木を植えるということに近い活動で「もっと社会貢献性の高い活動ができないか」と常々感じていました。そのような経緯もあり、最近では荒れた森林を蘇らせるために、当社の社員といっしょに土地を整備したり、植林をしたりしています。
森戸:
素晴らしい活動ですね。そのような活動を行っている社員の方は、当然、お客さまにも企業として果たしている社会的責任を語れるでしょうね。
小林:
今年は会社創立45周年のひとつの区切りとして、佐賀県の三瀬村に山林を購入し、放置された荒れ地に森を作り、植える木もスギやヒノキではなく、CO2を吸収量が多いミカンやクリ、カキなどの照葉樹にしたいと思っています。今、長崎県佐世保市のNPO団体と協力して、ドングリの苗木を1万本育てています。
このような活動を通じて、我々の日常生活や企業活動の中から排出されているCO2を少しでも削減するということを考えています。IT機器の消費電力を抑えるというCO2削減も当然、提案していきますが、当社ができることとしてCO2削減効果を持つ木を自ら植えることで「グリーンIT」を自らの手で実践しようと社員と共に頑張っています。
森戸:
御社は、IT資源の再利用や有効活用ということで、パソコンなどのコンピュータ機器のリユースやリサイクルなどにも積極的に取り組まれているようですね。そのあたりの話もお聞かせいただけますか?
小林:
昨年、弊社ではパソコンリユースとWEB技術に特化した専門の株式会社パクスを設立しました。実は、遡ること平成9年に、九州で初めて情報機器のリサイクルを行う「富士通九州リサイクルセンター」を鳥栖市に開設していたのですが、IT機器を取り扱うリース会社などから、処分するのではなくもう一度使うことができる(リユース)機器と処分する(リサイクル)機器が混在して持ち込まれるようになりました。リサイクルの場合には、解体工場で分解して部材として再生できる金属などを切り分けて再利用します。
しかし、リユースは、考え方がリサイクルとは全く違うので、今度はリユース専門の会社を作ったというわけです。持ち込まれたパソコンを分解し、ハードディスクなどに記憶されているデータを完全に消去し、リユースに必要となるWindowsなどのオペレーティングシステムを再インストールして、それをインターネットで販売しています。
昨年設立したリユース専門会社ですが、もうすでに黒字経営になっています。九州からのパソコンの仕入れだけでは需要に追いつかないので、首都圏の大手リース会社などからもパソコンを仕入れてリユースしています。
森戸:
パソコンの利用用途などを絞り込むとリユースのパソコンでも十分に対応できる業務などもありますよね。御社の関連会社でリユース販売されるパソコンの販売先には非常に興味があります。
地域貢献のために、NPO団体などに低価格で提供するなどのことは検討されていないのでしょうか。弊社では地域貢献のためにNPO団体の支援なども行っていますが、例えばシニアネット(NPO)などが運営しているパソコン教室などでも導入検討できるかもしれません。
シニアの方たちも高機能を求める場合もありますが、まだまだ初心者の方も沢山いらっしゃいますので、低スペックパソコンでも十分に対応できると思います。
小林:
リユースのパソコンについては、現在は個人向けの販売が中心になっています。企業としての地域貢献活動としては、長崎県の離島にある小学校にリユースパソコンを一部寄贈したことがあります。まさに初心者向けのパソコン教室への販売については検討しているところです。これらについては、デジタルデバイドの解消という社会性もありますので、ぜひ協力していきたいと思います。
森戸:
弊社が見ている範囲では、NPO団体と行政機関が協働事業などで行っているプロジェクトなどでも、新しいコンピュータ機器を購入するということはなかなか難しいようです。システム会社である御社が、民間企業の地域貢献活動としてNPO活動などに協力していただければ非常に心強いですし、その活動は地場の企業からも十分に評価されると思います。システム会社の中で、そのような地域貢献活動を行っている会社は九州には無いのではないかと思います。
そういう意味では、これからの時代にマッチしていると思いますし、本業へのインパクトも大きいのではないかと思います。是非、営業活動の中だけでなく、もっと多くの人たちに御社の活動を公開していってください。
森戸:
当社は九州だけでなく全国のシステム会社の営業的な支援なども行っていますが、御社のように非常にユニークな企業価値向上活動をされている企業は初めてです。これらのCSR活動以外で、御社のシステム会社としての付加価値、特長などがあれば教えてください。
小林:
当社では地場のお客さまに選んでいただけるように、東京などのシステム会社にはできない営業戦略を常に考えてきました。例えば、大手のシステム会社にありがちですが、数年おきにお客さまの窓口担当者が全国規模での転勤で次々と変わるのではなく、社長は社長同士、担当者は担当者同士、深い信頼関係をもとに継続したコミュニケーションをとり続けていくことを重視しています。お客さまとの長いお付き合いの中で、情報システムに強いビジネスパートナーとして常に頼りになる存在でいたいと思っています。
森戸:
なるほど、たしかにお客さまと話をしていると、システム会社のことを業者のような扱いで話される会社と、パートナーという深い信頼関係でつながっている会社として話されるお客さまがありますね。その信頼関係を作るために、人間的な部分でのフォローをされているということですね。
小林:
そうです。また、営業担当者の活動以外でも「Echo119」というインターネットを 活用したお客さまサポートサービスも行っています。
弊社からシステムを導入していただいたお客さまに何らかのトラブルが発生した場合、インターネットのWebサイトを通じてご連絡いただく仕組みですが、そのトラブルの重要度によって、緊急対応が必要なレベルなのか、連絡レベルなのか、質問や相談レベルなのか、というお客さまの状況がすぐに営業担当者の携帯電話にメールが届くようにしています。
営業担当者は5分以内に一次対応をするようになっています。もし、できていない場合には、その上司の携帯電話に連絡が入り、上司が対応するような仕組みにしています。また、新規商談や継続商談などのお客さまからのご要望への対応などについても、その対応がどの段階まで進んでいるのかを可視化することができるようにしています。
森戸:
まるで宅配便の荷物追跡サービスのようですね。(笑)
小林:
さらにお客さまへの現状確認や新規のご要望を伺うご連絡なども、専任の担当者が営業担当へまとめて報告する方式ではなく、こまめに担当営業に伝えるように環境を整備しています。このお客さまへの連絡担当と、一次窓口の営業担当の連絡が疎かになるとお客さまからのご要望にタイムリーに対応することができません。「エコー電子さんは対応が早いね」とお客さまから言っていただくことが弊社の価値を認めていただけたときです。地場に本拠を置いている会社だからこそできるサービスをどんどん考え、お客さまに随時提供していきたいと思っています。
森戸:
非常に興味深いサービスの作り方ですね。他のシステム会社との違いを分かりやすく理解してもらうためには、地場だからできることの価値を創造することは非常に重要ですね。それらの価値を地場企業に気付いてもらうための情報発信の取り組みはいかがでしょうか?
小林:
弊社では「こだま通信」という情報誌を、お名刺交換させていただいたお客さま約500社に3か月に1回お送りしています。Webなどで情報発信することも重要ですが、地場企業のビジネスサポートを中心に考えて、地場の情報をピックアップして温もりのある情報発信を心掛けています。継続して情報発信することで、お客さまから「次はいつ?」という声もいただけるようになりました。
森戸:
弊社は学生団体の活動支援なども行っていますが、その中で、情報システムを扱う仕事の重要性や、その仕事の将来性について理解してもらうように心がけています。インターネットの爆発的な普及で、世界の経済基盤としてITの地位は確立されており、その経済基盤の整備や保守をする仕事を行うことに誇りを持ってもらいたいと常々話をしています。システム会社に勤める社員の方々にも、自分の職業について誇りをもっていただきたいですし、自分の家族や友達などにも自分の会社を自慢できるような仕事だということを認識してもらいたいと思っています。御社の会社説明会などに対しての学生などの反応はいかがですか?
小林:
当社の場合、自己資本の充実に努めてきており、昨年、米国S&P社から企業格付け「aa」をいただいています。最近の学生は、インターネットなどの影響でこのような企業格付けなどにも敏感になっているようです。地場のシステム会社でも、お客さまから支持をいただき、また外部の審査機関からも良い評価をいただいているというのはアピールポイントになります。
その他にも、最初にご紹介した「環境活動への取り組み」についてもアピールしています。人材採用については特に力を入れているので、私も都合が合いさえすれば、会社説明会に出向いて、会社の方針についての説明をしたり、学生の皆さんからの質問にも答えたりします。
森戸:
社長が自ら会社説明会に出られると、学生も安心するでしょうね。
小林:
優秀だと感じた学生には会社説明会の後の1~2週間で内定を出すなどのスピード感も重視しています。大手企業では新卒学生の採用に2~3ヶ月もかけている場合がありますが、弊社は2週間で結論を出します。
森戸:
スピードを重視している時代なので、御社でもスピード重視という姿勢を出されているわけですね。社長自らが企業説明会に出向いて、その目で次世代を担う人材を見られているということもスピードにつながっているのでしょうね。
小林:
そうですね。新卒人材の採用で感じるのは、学生に会社のありのままを見てもらって、企業理念を説明し、魅力や感動を与えることが重要だということです。特に「人(社員)」を大事にしている具体的な実績を説明します。おかげさまで、今年度は新規学卒者24名が入社してきました。我々企業が継続して市場に価値を提供するためには、次世代を担う人材をいかに採用できるかということが課題になります。そのために、弊社では人材採用と人材育成は企業としての最優先課題だと考えています。
森戸:
私の学生向けの講演の参加者から「私は環境に興味があって、環境問題に対応する会社に就職したい」というようなメールを先日もらいました。それ以外にも、企業を選択するときの基準に環境問題への対応や、社会性がある仕事かどうかなどを口にする学生が増えてきたと感じています。御社のこれまでの企業価値向上のための活動は、次世代を担う学生にも響くものになるでしょうね。今日は、非常に興味深い話をありがとうございました。
森戸 裕一
(もりと・ゆういち)
ナレッジネットワーク株式会社
代表取締役
中小・中堅企業を対象にITを活用した経営手法、企業戦略などを提唱する、コンサルティング事業を展開。マイクロソフト社をはじめとするIT企業、自治体などが主催する中小・中堅企業向けIT化支援セミナーの講師も数多く担当し、“ITで元気になるヒント”の数々を提案し続けている。
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