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IT化;シャボン玉石けん効果

収益UP! 経営の自立化 満足度の向上
独自のビジネスモデルの構築 満足度の向上  
IT化;シャボン玉石けん

無添加石鹸の製造、販売を行うシャボン玉石けん。商品の受注管理システムを利用することで、オペレーターが行う受注業務を軽減し、顧客データをもとに商品開発へつなげました。

Q1.IT化を行う以前、営業活動やお客様の管理また、その他の面で、御社が直面していた経営課題はどのようなものでしたか?
健康や環境に配慮した「無添加石けん」が当社の製品です。主に販売先が個人消費者への通信販売で、従来は全国に数千人の顧客会員に対して隔月で会報誌を手作業で発送し、お客様からの注文をコールセンターで受付、出荷していました。
当時の電算システムはお客様の売掛け・出荷管理を行なう程度の基礎的なものでしかなかったので、1人のお客様への対応に多くの時間がかかっていたこと、また窓口では個人の消費者(通販部門)で取扱う案件か法人(営業部門)で取扱う案件かの区別を代表の窓口オペレータが判断をしていたこと、さらに、コールセンター業務ではオペレーターがお客様の注文を聞き取って紙に記録し、それを再度コンピュータ端末から入力し発送業務へつなぐ、という作業をオペレータが手作業で行っていたため、一度に大量の注文が来ると処理しきれずにお客様への出荷が滞るといった状況がしばしば発生していました。
当時は残業を行なってこの問題に対処していたのですが、社員からの不満もきかれるようになり、受注変動があっても受注から出荷までを短期間に行なう仕組みの構築が課題となっていました。

Q2.ITを活用してどのようなことを行い、どのような問題の解決を図ろうとされたのでしょうか?
お客様からの注文処理を円滑に行うことで、受注処理にかかる労力を減らし納期を短縮すること。またオペレータがお客様との会話を通じて入手した情報を、経営活動の様々な面で活用できるようにすることでした。

Q3.他の方法ではなくITを活用したのは、どのような狙いからですか?
沢山の情報を、コールセンターの各自が活用できるようにし、かつ迅速な出荷をするためにはシステムの活用以外にはないと思ったからです。

Q4.IT導入の意思決定を行って稼動するまでに、どのくらいの期間がかかりましたか?
2年ほどです。1997年に社内での検討を開始しベンダーに見積もりを取るまで1年くらい、その後1998年に開発に着手し99年3月に稼動しました。

Q5.IT化を行なったことで、会社にどのような変化が起こりましたか?またはどのような効果が得られましたか?
お客様の声を経営に取り込めるようになったことがなんと言っても大きいですね。
データから、固体石けん、粉末石けんを購入する従来からの固定客は高齢化が進みつつあったが、これに対し新規顧客の多くは若い世代の方々であることも判ったし、さらに「液体石けん」への開発・提供を要望する声が多いこともわかりました。
このような状況を把握し、2年前に液体石けんを開発・製品化して市場に投入しました。現在、会社全体としては60品目くらいの製品があるのですが、従来の固体石けん、粉末石けんの需要は横ばいであるのに対し液体石けんの需要が伸びています。お客様の声から顧客のニーズを捉え、新製品の開発へとつなげることができました。

Q6.IT化を進める過程で最も苦労されたこと、工夫をなさったことは何ですか?
従来から付き合いのあった地元のITベンダーは、新システムの構築に関し技術力不足を理由に辞退されたため、地元の大手情報処理企業に相談し、大手コンピュータメーカーに開発を委託しました。当社側からは現場部門から業務に精通した専任の担当者を開発プロジェジェクトに参加させ、ベンダーとの打ち合わせに臨みました。
現場業務の困り事の詳細な説明を当社が行い、ITベンダーの担当者がシステム面でさらに掘り下げる、という形のシステム開発に関するミーティングを当時は毎週行っていたのですが、この際も事前に質問表(連絡表)を予めITベンダーに送っておき、当日回答をもらうという方法を取ったため、開発ミーティングの質や効率が上がりました。

Q7.御社のIT化が成功したのは、どのような要因が最も大きいものだと思いますか?
受注業務の効率化を全社的な職場改善の課題として捉えることができ、システム化に対しても全社のコンセンサスを形成できたことが最も大きいと思います。通販部門の責任者だけでなく、製造、営業部門からの協力を得ることもできました。

Q8.構築した仕組みを活用して、今後の事業展開をどのように進めていきたいですか?
出荷システムにおいても、流通販売部門、通信販売部門に対応したシステム作りを構築する必要があると感じ、着手しました。
以前は、運送各社のパッケージングソフト対応でしたが、通信販売の出荷量が大幅に伸びていることから、梱包積載計算と運送会社データ連携を行い数年運用、2006年には製造部門と連携する為に、自動倉庫と、入庫管理システム・出荷システムを導入、また受注システムを改良し、製品入庫から、流通部門出荷・通信販売向け個口出荷対応のピッキングシステムを構築し現在、大幅に運用改善を行いました。
また、生産は見込み生産であり、前年度の需要データから本年度の需要を予測し、季節変動、曜日変動までを見越して毎月生産計
画の見直しを行っているのですが、これに2割程度の予測できない受注が入ります。生産管理自体は手作業であるため、今後のIT化の対象の候補として考えています。

Q9.今後さらにIT化で取り組みたいこと、課題はありますか?
【1】オペレータのシステム(顧客情報)の活用力を高めるためにはシステムの操作を覚えやすいようにする工夫も必要だと思います。現状はベテラン社員による教育を月1回程度、継続的に行なっていますが、ゆくゆくはお客様ごとのデータを活用し、お客様ごとに対応のやり方を変えるワンツーワン・マーケティング(差別的マーケティング)への活用ができるようにしたいです。
特にお得意様と言えるお客様からは当社にとって貴重な意見をいただけるので、そのような貴重な情報を見過ごすことがないようにコールセンターのオペレータのスキルアップが今後の課題です。
【2】ホームページを経由したネットでの販売の比率も高まって来ており(全体の15~20%)、新しい顧客層が拡大しています。ネット販売では従来のようにオペレータとの対話が発生しないため、お客様の意見や要望を収集するための工夫をもっと行なう必要があると思っています。

■成功のPOINT
受注業務の効率化のためのIT化のみならず、「顧客の情報を活用する」という「戦略的な情報活用」を意図したシステム化を行ったこと。
■着眼点!
・受注の効率化を行なうことが全社的課題であることを全社でのコンセンサスとして作ったこと
・現場に精通した担当者がプロジェクトに参加できたこと
・ITベンダーとの連携では、常に自社から要望や質問を発信して、パートナーシップをリードしたこと。
・受注業務の効率化という最重要な課題にシステム化の対象を絞ったこと。
■総論
IT経営応援隊の「IT経営百選」の2004年度、2006年度に最優秀賞を受賞した企業。
同社が現システムへの拡充の検討を開始したのは1997年。Windows95がようやく普及し始めた時期。
当初の出発点は「受注業務の効率化」ですが、CRMの考え方が一般的に普及する前のこのような時期に、既に「顧客情報の活用」という戦略的なものの見方を持っていたことは特筆に値します。
同社では、顧客情報を活用することで自社顧客の構成が変化していること(固定客のみならず若年層顧客が新規に拡大していること)、新たなニーズが発生していること(液体洗剤の商品化の要望)に気付き、新製品の開発により、あらたな顧客層として若年層顧客を獲得することに成功しています。

単に受注処理を行なう効率化だけの考え方からはここまでの利活用のアイデアは生まれてきません。
この意味で、自社で入手できる情報の価値にいち早く気付いたことが同社の成長の大きな要因となっています。
さらに、同社の成功要因で最も重要なものは「全社のコンセンサス」です。
受注業務の効率化という課題が通販部門のみならず全社の課題であることが認められたことにより、関連部門を含めた全社プロジェクトとしての協力体制がひかれました。
現場のニーズをシステム化する上で、具体性をもった検討が進められることになった訳で、現場ニーズを具体化する上での強力なアドバンテージとなったと考えられます。

 会社基礎情報
会社名 シャボン玉石けんグループ 代表者名 代表取締役 森田 隼人
住所 福岡県北九州市若松区南二島2-23-1
TEL 093-791-4800 FAX 093-791-9990
e-mail info@shabon.com URL http://www.shabon.com/
設立日 1949年5月 資本金 327百万円(グループ計)
前年度売上 58,800百万 社員数 90人
IT部門の
有無
なし
事業内容 無添加石けん製造販売業・代理店向け販売・一般顧客向け通信販売。
【グループ会社】
シャボン玉販売(株) (株)シャボン玉本舗  (有)シャボン玉企画

 

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