元気企業:レベルファイブ
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株式会社レベルファイブ
日野・・・日野晃博 (株式会社レベルファイブ代表取締役社長)         
学・・・学生インタビュアー WAN編集インターンシップ 堤正則+今永敦志

学: ゲームの世界に興味を持つようになったきっかけは?
日野: 私は小学生くらいの時からプログラムを作るのが好きでした。ゲームについてもアメリカのゲーム紹介雑誌などを見て面白そうな世界があるな、と関心を持っていました。当時はパソコンという言葉すらなく、マイコンの時代だったのですが、自分で本を読みあさって、回路を組んでデジタルの数字が出るような簡単なゲームを作ったりしていました。小学校6年生くらいの時にはNECからPC6001というパソコンが発売され、それを使ってゲームを作るようになりました。小学生のころから趣味の世界に没頭していましたね。

学: 実際に一つのゲームを初めて作り上げたのはいつごろですか?
日野: 高校生のときくらいかな。最初に作ったゲームは本当にちっぽけなものでした。でも、高校を出てコンピューター関係の学校に通うころには企業に通用するくらいのゲームは作れるようになっていました。
学: では、就職の時は迷いなくゲーム業界に、と考えられていたのですか?
日野: ずっとゲームは好きだったのですが、その頃はゲームを作っているのは遠い東京のほんの一握りの人達だと思っていたので、実際に自分がゲームの仕事をして生活しているということがイメージできなかったんです。だから就職もコンピューターの会社でシステムエンジニアになるつもりでした。でもよく調べてみると九州に日本を代表するような大きなゲーム会社があることを知って、そこを受けてみようかなと思ったんです。その会社からは「うちは大学の研究室から直接採用するので」と一度は断られましたが、「作品だけでも見てください」と、会社訪問しました。その時に自分が作ったゲームを会社の人に見せたら「試験を受けてみませんか」と言われ合格したのをきっかけにこの業界に入りました。
学: その後独立するきっかけとなった出来事は?
日野: 入社後はゲームクリエイターとしてディレクターを担当していたのですが、働いていく中で、せっかくだったら自分が作りたいと思っているゲームを作りたいと思い、29歳の時に仲間を集めて独立したんです。
  実は、最初はソニーコンピューターエンターテイメント(SCE)のいち専属チームとしてゲームが作れればと思っていました。でもある時、当時のSCEの副社長の佐藤明さんに「SCEの傘下になるよりも自分で会社を作って独立してみては?」と言われ、その言葉を聞いたときに「好きなものをやりたいと言うからには覚悟はあるのか?」と試されていると感じたんです。

  そこで、色々と考えた末に独立する決心を固め、レベルファイブを設立しました。もともとは9人で始め、その後すぐに11人になりスタートしました。
学: そのとき東京ではなくなぜ福岡で起業したのですか?
日野: 自分が福岡出身だから、地元で起業するのが一番だと思いました。でも、今考えてみると福岡で起業しなければ会社としてこんなに成長していないでしょうね。福岡は空気もいいし、ストレスも少ないし、食べ物も美味しいし、住みやすい。だからクリエイティブな仕事ができるんです。今もよく東京へ本社移転は?などと言われるのですが、クリエイターにとっては、福岡でもの作りをしていくのがベストだと思っています。

学: ゲームを作るにあたってのこだわりは?
日野: やはりゲームのクオリティです。「レベルファイブが作った作品はどこを切ってもいいね」と言われるように細かい所まで手を抜かずこだわりを持って作っています。そういう精神は自然と社員にも根付いています。
学: では日野社長が仕事の中でワクワクする時は?
日野: 新しいゲームを考えるときはワクワクします。追い込みになると大変な部分もありますが・・・。でも、アイディアを思いついてそれをメモにして、皆に説明して、これを作ろう!と企画が生まれるときはやっぱり楽しいですよ!
学: 今でも社長自身がゲームを考えられるんですか?
日野: はい。ゲームのシナリオ等も書いています。今日も書きながら会社にやってきました(笑)ディレクターをやっている頃からゲームの企画、シナリオ等も手がけてきました。「レイトン教授」シリーズについても、メインストーリーや企画・デザインは自分で考えています。もちろん他のメンバーが考えることもありますよ。

学: これから先ゲーム業界はどういった方向に進むと思いますか?
日野: 将来的には、ゲーム、アニメ、映画などの業界の敷居がなくなって、「エンターテイメント業界」として一つに統合されるのではないかと思います。
  僕らもゲームを元に映画を作るし、映画会社もゲーム制作に係るだろうし、そうやって相互に繋がっていく要素が多いですから。
例えばあるゲームは、ゲームだけでなくて映画やアニメなどで展開されています。
このように他のメディアと手を組むことで、ビジネスとして相乗効果を狙うということもあります。

  実際私たちも「レイトン教授」の映画を作っていますし、「イナズマイレブン」はテレビアニメ化や漫画化も決定しています。漫画はもちろん漫画家が描くのですが、私たちがストーリーを監修し、映画ではプロデューサーの一人としてシナリオや構成を考えたりしています。

学:

GFF」の活動について教えてください。

日野: 福岡・九州のゲーム会社10社で「福岡をゲームのハリウッドにしたい」、「ゲーム業界の地位を上げていきたい」という思いで活動しています。私たちだけではなく、福岡にあるゲーム会社みんなで活動することで「この業界はおもしろい」って思ってもらいたいんです。ゲームを作ることはホントに楽しい仕事なのでたくさんの人にかかわってもらいたいです。
学: GFFでは学生のインターンシップも行われているのですがどのようなことをしているのですか?
日野: 基本的には、このインターンシップは短期間での受け入れなので、ゲーム開発技術などの教育ではなく、業界がどういうものかを体験してもらっています。インターンシップで一番大事なことは、働くことの楽しさや厳しさ、自分がこれからやらなくてはいけないことを感じて、それまでの考え方をもう一度見直すことではないかと思います。例えば僕も皆さんくらい若い頃は、自分は何でも作れると思っていたし、自分が一番出来ると思っていました。でもそれは井の中の蛙みたいなもので、世間を知らなかったんです。だから、インターンシップを通じて、次元の高いプロの仕事の現場を見て、自分はまだまだ勉強することがたくさんあるということを知って欲しい。それだけでも、随分成長すると思います。

学: 先日、博多の森球技場の命名権を獲得されましたが、これは地域貢献の一環なのですか?
日野: そうですね。地元福岡でスポーツ事業に貢献したいという思いと、これをきっかけにゲームにも興味を持ってくれる人が増え、エンターテインメント業界自体がよりいっそう盛り上がっていくことを願っています。命名権取得は私が思っていた以上に地域からの反響が大きかったです。そのほかにもゲームを通してオーケストラの音楽を若い人たちに聞いていただきたいということから、福岡で行われるドラゴンクエストのコンサートに協賛という形で応援しています。

学: ゲーム業界ではどんな人材が求められていますか?
日野: まずは実行力がある人。「私はこれをやりたい」って思ったらそこに何段階のステップがあろうとやり通す人ですね。あとは人とコミュニケーションして自分を活かす能力。最近は技術さえあればいいと、人間関係を軽視する人が多いように感じます。ゲーム作りはチームとしていかに成果を出せるかにかかっています。いくら高いスキルを持っていても、他のメンバーに活かしてもらわなければ、その才能も人の目に触れることはないんです。だから、周囲とコミュニケーションしながら動ける人は非常に活躍できる場が増えると思いますよ。
学: 2009年度の定期採用では、説明会で芸能人を呼んだそうですが、それは何故ですか?
日野: エンターテインメントを目指す会社として、まずは説明会に来てくれる皆さんを楽しませたいという思いがありました。また、今回は、ゲームクリエイターの日常からものづくりの楽しさを感じてもらいたいと思い、東京の銀河劇場をはじめ、大阪・福岡と本格的な劇場でお芝居を行いました。遊び心や、会社は苦労をしにいくところではなくて楽しむ、楽しめるものなんだよ、ということを伝えたかったんです。また、そういう工夫も新しい企業イメージの伝え方だと思っています。


学: 就職活動を控えている学生にメッセージをお願いします。
日野: 私たちはゲーム業界を「楽しい業界」とアピールをしていますが、仕事をする、ということは決して甘いものではありません。楽しむための努力をしなくてはならないのです。だから自分が決めた道はやり通すという覚悟を決めて就職活動をしてもらいたいですね。今のクリエイティブの業界は、長い修行期間を求めているわけではありません。アニメ業界だろうと、映画業界だろうと、チャレンジし続ける人には凄い舞台が待っているけれど、そうでない人にはとことん厳しいものです。極端な意味で、エンターテインメント業界は「才能の格差社会」になっている非常に厳しい業界なのかもしれません。ただ、逆にその状況を楽しめるよう努力をしている人にとっては、楽しい毎日が待っているはずです。楽しむために精一杯頑張ってこそ、その後の達成感や喜びも大きいものになると思います。そういった姿勢の元で、より楽しいエンターテインメント作品は生まれていくのではないでしょうか。

≪インタビュー後記一言≫
まず、オフィスのきれいさにビックリしました。また「仕事は楽しむものだ」ということを教えていただき、今後社会に出る上でそのことを心がけたいと思いました。そのためには下積みや努力を怠らずに日々目標をもって過ごしていきます。 (堤)
「世に与えるイメージ」を大切にする、という価値観が全ての事業に結びついていると感じました。一つの価値観を徹底的に深く掘り下げ、結びつけている事例に触れることで、将来を描くヒントを頂くことができました。 (今永)

株式会社レベルファイブ
http://www.level5.co.jp/
福岡県福岡市中央区

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