地場企業に聞く!内部統制とCIOの役割(九州ベンチャーパートナーズ株式会社)02
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事業を廃止するか、情報化を選択するかという厳しい選択も現場に迫る
もっとも大きな合理化となったのは、昭和鉄工の主力製品であるビル空調機器の設計です。実は空調機器はビルごとに完全オーダーメイド製作なので、お客様ごとに見積書と配置図、仕様書を作らなくてはいけません。その3つの資料を作るのに繁忙期には休日出勤しても2ヶ月程かかっていました。ところがそれでも空調機器の受注確率は2~3%なので、設計者が工場に出向いて作業を行なっても97%の時間的なコストは無駄に終わる可能性があるわけです。この無駄を改善しなければ空調機器の部門はいつまでたっても黒字体質にはならないのでCADシステム導入による設計部門の効率化を提案しました。そうすると現場の担当者から「今まで1台1台の空調機器を人によるオーダーメイドで設計していたのにコンピュータで自動設計なんて無理です」と言われました。私の経験からですが、現行の業務を改善しようとすると、できない理由が面白いくらいに現場から次々に出てきます。私は学生時代に化学工学を学んでいたので、「できないことはない。空調機器の入口・出口の温度と風量が分かればその熱交は瞬時に設計できるはずだ」と反論して「これをやり遂げなければこの事業の将来は無い」とまで言い切りました。
この時、この自動設計システムを実現させると競合他社に対して大きなアドバンテージを持つことができると考えていた私は、早速、社内の情報化に大きな熱意を持っていた西尾課長に1人部下を付けてプロジェクトを開始させました。私の構想を理解してくれた彼らは4~5ヶ月でこの設計の自動化を支援するシステム化を実現させてくれました。このシステムの特長は、取引先が当社に対してWebサイト経由で直接アクセスができるということです。取引先の営業担当者も当社のWebサイトにアクセスして空調機器に関する資料や最新情報を入手できますので、提案時にはとりあえず当社の空調機器をスペックインしてくれるようになりました。これは日本で初めてのシステムでした。


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水口 敬司氏
九州ベンチャーパートナーズ株式会社 代表取締役社長
1935年京都府生まれ。京都大学工学部卒業後59年住友商事入社。
同社ロンドン事務所長代理、機電業務本部長補佐など歴任。
91年同社退社。同年昭和鉄工顧問として入社、専務、副社長を経て93年社長に就任。01年4月会長、同年6月から相談役。九州電力取締役も務める。ほか公職多数。
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